稲葉裕教授定年退任記念シンポジウム
司会町田和彦(早稲田大学人間科学学術院)菊地正悟(愛知医科大学医学部)
研究を開始してから現在に至るまでの経験から、現在考えさせられている倫理的な課題を参加者と分かち合いたい。
感染症の研究(マニラの病院での調査)、難病の疫学研究、がんの疫学研究(山梨県での調査、 JACC studyなど)を例に提示する。
「疫学研究倫理指針の策定,改訂,運用」丸山英二(神戸大学大学院法学研究科)
私が稲葉先生のご面識を得たのは疫学研究倫理指針の関係であるところが大きかったことを踏まえて,
指針の適用対象,臨床研究倫理指針との関係,既存資料,包括同意,など,疫学研究倫理指針をめぐる諸問題に関してその一端を話したい。
「ライフスタイル医学における倫理的葛藤」森本兼曩 (大阪大学大学院医学系研究科)
環境履歴の表象であるライフスタイルに、他者が ”介入”することには人間性の視点から大きな倫理的疑問を孕む。
医学義務教育化と内発的健康学習、健康増進意欲と認知行動変容、他者や自然と共生する品位あるライフスタイル志向性の社会的醸成など、展望を共に探ってみたい。
「コホート研究における倫理的配慮」玉腰暁子 (愛知医科大学医学部)
多くの人を対象として長期間追跡するコホート研究では、研究への参加を対象者に依頼する時期と検体やデータの分析を実施する時期にギャップがあること、
追跡には個人の特定が可能な情報を使用せざるをえないことなど、特有の問題がある。コホート研究における倫理的配慮について、経験をふまえ概説する。
「子どもを対象とした研究における倫理的配慮」山縣然太朗 (山梨大学大学院医学工学総合研究部)
未成年者が疫学研究や医学研究の対象として選ばれることが少なくない。倫理的配慮は成人に対する場合と異なり、
代諾の有効性や本人同意の必要性、成人後も継続する研究の場合のインフォームド・コンセントのあり方の課題がある。
これらについてわが国の現状と海外の状況を概説する。さらに、研究成果の発表に関する倫理問題についても提起したい。
シンポジウムのみのご参加は無料です。
日時 平成 20年 4月 12日(土) 午後 2時~5時